優しい水色の青空の中を薄雲が緩やかに漂っていた。
すずめ達が何処からとも無く歌いだすといつもの穏やかな朝が来た事を教えてくれる。
ピピッと電子音が一定の間隔で鳴リ始めると小鳥はベッドの中から腕だけを伸ばし音の主を探し始める。
パタパタと音の出所を探り主を見つけると脱力した様に腕を落とす。
アラームが止み数分経った所でやっとベッドから這い出してきた。
「朝かぁ、うっん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」
両腕を伸ばし背中を伸ばすと意識は次第にはっきりとしてきた。
「さてとぉ、準備準備」
ベッドから飛び出して洗顔をして朝食と着替えを済ませると鏡台の前に座り薄く化粧をする。
口紅を取って手鏡で口を見るとチャームポイントのホクロが映し出された。
小さなバッグを肩から提げてドアを開ける。
鍵をかけて一歩踏み出すと暖かな春風が小鳥の短めの髪をなびかせた。
駅に着いて電車が到着するといつもの様に小さく溜息を吐く。
車内は溢れんばかりに人で埋め尽くされていた。
必死の思いで乗った電車の人ごみに揉みくちゃにされながら数十分もすると目的の駅に辿り着いた。
消耗しきった体力を振り絞って5分程歩くと小さなビルの中に入る。
ドアの鍵を開け電気をつけるとピンと音を立てながら規則正しく並んだ蛍光灯が点いていく。
後から来た社長や同僚、アイドル候補生達と笑顔で挨拶を交わす。
社長がプロデューサー達を集めいつもの様に訓示を説いている。
それを一瞥すると小鳥は自分のデスクに着いた
「さ、がんばらなくちゃ!」
そう自分に言い聞かせて帳簿を開く。
今日も一日が始まる。
いつもの光景
いつもの喧騒
いつもの環境
そして、いつもの自分…
今日も一日が始まる。
そう思っていた。